国際関係法(私法系)平成18年 第1問

問題

【出典:法務省ウェブサイト (https://www.moj.go.jp/content/000006523.pdf)】

答案(例)

第1 設問1
1.本問の管轄権については、外国である米国A州に「裁判権」(民訴法118条1号)が認められれば肯定されるが、その判断基準が問題となる。
この点、裁判国である外国の民事訴訟法等の基準によるべきとの考えがあるが、常に管轄権を肯定することとなり、妥当ではない。
そこで、外国判決の承認の場面と日本が管轄地となる場合とで一貫した基準を採用すべく、国際裁判管轄の判断基準については、日本の民訴法上の管轄基準によるべきと解される。
そして、子が父に負担すべき扶養料については、公平の見地から、扶養権利たるZ又は扶養義務者たるYの住所が日本に存する場合には日本の裁判所の国際裁判管轄が認められると解される(家事法3条の10参照)。
2.本問において、Zの住所は米国A州に存在することから、A州の管轄権は認められる。

第2 設問2
1.扶養料減額請求については、扶養の本質に係る問題として、扶養の問題と性質決定される。
2.扶養の問題については、扶養権利者の常居所地の法が選択される(扶養義務の準拠法に関する法律2条1項本文)。
常居所地の認定については、明文はなく、居住期間の長短等、主観的目的以外の事情を総合的に考慮して決せられるものと解される。
3.本問において、Zは米国A州で生誕し、そこに居住していることから、その常居所地はA州に存すると認められる。
よって、本問の扶養料減額請求に日本の裁判所が適用すべき準拠法は、日本法である。

第3 設問3
1.離婚に際しての親権者の指定については、離婚の問題と性質決定する説もあるが、離婚以外の場面でも親権者の指定が問題になることから、妥当ではない。
この点、親権者の指定に際しては、子の福祉を重視すべきであり、その点を趣旨とする親子間の法律関係(通則法32条)の問題と性質決定すべきと解される。
2.同条によれば、離婚に際しての親権者の指定については、親子の共通本国法があればそれにより、それがなければ子の常居所地の法による。
(1)この点、米国はいわゆる地域的不統一法国であるため、Zの本国法をいかに決すべきか、本国法の判断基準が問題となる。
この点、日本の国際私法の立場から直接本国法を指摘すべきとする説があるが、判決の国際的調和に沿わず、妥当ではない。
本国の準国際私法によるべきであり、本国にそのような規則が存在しない場合は、日本の国際私法の立場から直接指定する(通則法38条3項)。
(2)本問においては、米国にそのような規則が存在しないと一般に解されていることから、直接指定することとなる。この点、ZはA州で生誕し、そこに居住することから、Aの本国法はA州法である。●必要なかった?
3.よって、日本人であるYとZとに同一本国法は存在しないことから、Zの親権者の指定について日本の裁判所は子Zの常居所地法たるA州法を適用すべきである。
以上

出題の趣旨

【出典:法務省ウェブサイト (https://www.moj.go.jp/content/000006513.pdf)】

採点実感等

該当ない模様
【出典:法務省ウェブサイト (●)】

参考

その他

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