国際私法 旧司法試験 昭和62年 第1問
XはA国を生活の本拠としているB国人のオートバイ・レーサーである。この度例年C国で開催されるレースに日本のY社製のオートバイを用いて参加していたところ、同車の構造上の欠陥に因ると思われる事故によって再起不能の重傷を負った。その車は、日本でレースが行われた際に来日参加したXが自ら購入したものであった。
XはYを相手どり損害賠償を求めて日本の裁判所に訴えを起こしているが、本件の準拠法は何国法であるか。
1.改題(適宜)
問題変える?
不要かと。
2.出題趣旨(推測)
なぜ出したのかな?
例えば、下記かと。
●プラザ合意以降、円高・好景気の傾向にあり、日本においても、様々なイベントが開催される機会も増えつつある(今後、ボクシングのヘビー級タイトルマッチが日本で行われる、等の事態さえ完全には否定できない。)。
●しかし、家族法分野・国際取引分野における典型的な活動とは異なり、そのような娯楽的・レジャー的活動に際しても、様々な国際私法上の問題が生じる。具体的に言えば、かかる活動においては、特徴的な設備・有体物が大きな役割を果たす機会も多い結果、製造物責任の準拠法が、ひいてはその法性決定が問題となりうる。
●そこで、そのような活動に関しても、国際私法上の観点から問題点を発見・検討・解決できる実務家を増やしたい。
(なお、日本の司法試験である以上、法廷地は日本とする必要がある。その関係上、また日本のメーカーが国際的に高い評価を受けている現状に照らしても、本問オートバイは日本製とした方が取り組み易いだろう。その場合、オートバイ事故の発生地まで日本にしてしまうと、連結点が過度に集中し、問題として面白味が低減する。そこで、事故発生地はC国にしよう。)
●なお、製造物責任については、その適用範囲(ひいては呼称)の如何はさておき、近い将来、立法が整備されることを期待している、と言っていていた人もいたかも知れない。
3.答案構成(例)
どうする?
下記程度で十分かと。
第1 製造物責任
1.法性決定
(1)不法行為(17条⇒18条)
((2)契約(7条))
2.連結点の確定
(1)生産物引渡地(18条本文)
((2)生産業者の主たる事務所所在地等(18条但書))
3.準拠法の決定
第2 準拠法の適用
1.公序(22条1項・2項、42条)
以上
4.答案(例)
答案は必要?
不要かと。
略
5.雑感
なにかある?
特にないかと。
略
6.参考
答案構成(例):法例(平成元年改正前)
第1 製造物責任
1.法性決定
(1)契約(法例(平成元年改正前)7条)
(2)不法行為(法例(平成元年改正前)11条1項)
2.連結点の確定
(1)原因事実発生地(法例(平成元年改正前)11条1項)
(2)生産物引渡地・生産業者の主たる事務所所在地等(条理)
3.準拠法の決定
第2 準拠法の適用
1.公序(法例(平成元年改正前)11条2項・3項、30条)
以上