国際私法 旧司法試験 昭和59年 第1問
法例第15条について、立法論として問題点を挙げて論評せよ。
1.改題(適宜)
問題変える?
また「立法」論ですか…、「司法」試験なのですがね…
これでは、国際私法の解釈論(論点)の数はたかが知れている、コスパが良いから選択(準拠法選択ではない方のアレ)を)、と「自白」しているようなものではないでしょうか。或いは、立法論まで問うからコスパは悪いよ、と!?
まぁ、法例(平成元年改正前)は、アレ(※)でしたから。立法論を問う意味はありました、それは解っているのですが。それでも、という話です。
(※)「夫婦財産制ハ婚姻ノ当時ニ於ケル夫ノ本国法ニ依ル」
なお、「法例第15条」については、それに相当する「法の適用に関する通則法第26条」と読み替えるべきかと。
(そう読み替えれば、またそもそも法例(平成元年改正後)においてすら、上記「立法論を問う意味」は相当程度小さいのですが。ただ、通則法26条について、立法論がない訳ではないので、現時点ではそうしておきましょう。)
その他は、不要かと。
「法の適用に関する通則法第26条について、立法論として問題点を挙げて論評せよ。」
2.出題趣旨(推測)
なぜ出したのかな?
例えば、下記かと。
●現在(昭和59年・1984年)、日本経済の発展・国際化等に伴い、近隣諸国の国籍を有する者との間のみならず、欧米等の国籍を有する者との間においても、国際結婚の数が増加傾向にある。
●しかし、必ずしも上手く行かず離婚に至ることも多く、且つ経済的な問題等について紛争化する事例も散見される。その点、例えば夫婦財産契約を活用し、予め離婚まで想定したストラクチャリング!?をしておけば、少なくとも紛争の質量の観点で、社会的な改良になるのではないか。欧米では、しばしば見られる実務であるし、ハーグ国際私法条約…(以下略)
●そこで、夫婦財産制(夫婦財産契約を含む)について、国際私法の充実した立法が実現すれば、①少なくとも夫婦財産関係に不明確な点があるが故の紛争は減少する可能性があり、また②夫婦財産契約締結等の「文化」が定着することで、日本が真に国際化(欧米「化」(「か」!?)!?)することすら想定されないこともないことはない。
●近い将来、夫婦財産制について詳細な立法をする場合に備え、フレッシュな感性に現行法の問題点(男女不平等、不変更主義、取引の安全を害する等)、ひいては将来の立法論を問い掛けてみたい(「司法」の枠を超え…)。
3.答案構成(例)
どうする?
下記程度で十分かと。
第1 法性決定について
1.夫婦財産制(26条、25条)
第2 連結点について
1.第1項
(1)夫婦の同一国籍
(2)夫婦の同一常居所地
(3)夫婦の最密接関係地
2.第2項:下記から夫婦が選択
(1)夫婦の一方の国籍
(2)夫婦の一方の常居所地
(3)不動産所在地
3.第3項(例外規定):下記場所としての日本
(1)法律行為地
(2)財産所在地
4.第4項(例外の例外規定):第1項又は第2項への復帰
以上
4.答案(例)
答案は必要?
不要かと。
略
5.雑感
なにかある?
特にないかと。
略
6.参考
答案構成(例):法例(平成元年改正前)
第1 男女不平等
第2 不変更主義
第3 取引の安全を害する点
第4 当事者自治の不採用
以上