国際私法 旧司法試験 昭和57年 第2問
法例上の連結点としての住所とはいかなる概念であるか。また、ある個人が一定の法域に住所を有するか否かはいかにして決定されるか。
1.改題(適宜)
問題変える?
「法例」は、「法の適用に関する通則法」に変更しましょう。
その上で、「法の適用に関する通則法」において、少なくとも(国際裁判管轄原因ではなく、準拠法決定プロセスにおける)「連結点としての住所」は、存在しないことから、本問前段(及び、(細かい話しかし当然のことながら)後段の「また、」まで含めた部分)は、いわゆる「没問」として良いでしょう。
(そうしたとしても、そもそも本問前段・後段は、同じ問題と異なる観点から重ねて問うている、とも解されるため、そのことだけでは問題文に実質的な変更はないと私は考えています。)
他方で、その結果、本問は、国際裁判管轄原因たる「住所」(通則法5条・6条)についての問題、ということになります(そうまでして問題として検討する意義があるか否かは別論ですが、現時点では、一旦そうしておきましょう。)。そうすると、最終的には、通則法の規定に即応する形で、問題文が実質的な変更がされたことになる、ということではありますね。
その他は変更不要かと。
「 ある個人が一定の法域に住所を有するか否かはいかにして決定されるか。 」
2.出題趣旨(推測)
なぜ出したのかな?
例えば、下記かと。
●国内法務のみ取り扱う法律家にとっては、「住所」について深く考える機会は多いとは言えないと考えられる(子が海外留学中等の場合はさておき)。
●しかし、国際法務に携わる者は、それでは不十分である。連結点としての「住所」概念、ひいてはその具体的決定方法について、十分な理解が求められる。なぜなら、実務において、特定人の「住所」がどこに存在するかにより、(国際裁判管轄地に加え)適用される法(準拠法)が異なりうるため、最終的には特定の法律問題の解決すら異なる可能性があるからだ。
●そこで、本問においては、主に(事例問題の処理ではなく)(1)概念的思考が出来ているか、他方で(2)その実践が出来るか、を試してみたい。
3.答案構成(例)
どうする?
下記程度で十分かと。
第1 設問前段
住所とは…。
1.国籍との比較
2.常居所との比較
第2 設問後段
1.国際私法独自説
2.領土法説
以上
4.答案(例)
答案は必要?
不要かと。
略
5.雑感
なにかある?
特にないかと。
略
6.参考
答案構成(例):法例(平成元年改正前)
第1 設問前段
住所とは…
1.国籍との比較
2.常居所との比較
第2 設問後段
1.国際私法独自説
2.領土法説
第3 債権譲渡の準拠法(12条)
以上