国際私法 旧司法試験 昭和55年 第2問
扶養義務の準拠法について述べよ。
1.改題(適宜)
問題変える?
(テーマがマイナー過ぎて)変えたい!(笑)
でも(無理なので)不要かと。
2.出題趣旨(推測)
なぜ出したのかな?
例えば、下記かと。
●今年(昭和55年・1980年)から、いよいよいわゆる80sに入った。これから10年間は、日本社会が繁栄と崩壊を迎える時期になるように思われる。
●そのような変化の激しい時代の後に到来する時代においては、当該繁栄を謳歌した世代と、当該崩壊の「つけ」を支払うこととなる世代との間において、大きな断絶が生じることが想定される。そして、かかる断絶が生じた場合、マクロレベルでは、前者(繁栄謳歌チーム)から後者(つけ負担チーム)に対して、適切な財産権の移転が生じることが合理的であり、それが相続等の形をとる。
●しかし他方で、マクロレベルでは社会保障として、ミクロレベルでは(年齢を基礎として)後者から前者に対する扶養として、上記とは「逆」の財産権移転がしばしば問題とはなる。
●そこで、そのようなマクロ・ミクロの視点から重要性を有する問題である一方、受験生(或いは、そもそも通則法(法例)自体!?)が等閑にしがちな扶養の問題について、基礎的事項を論じてもらいたい。
●なお、親が子を扶養しないことは過度に自然の摂理に反し一見明白に不合理であり、受験生の繊細なバランス感覚等をチェックするには不適切な問題設定であるとの考え方もありうることから、ここでは、典型例として、「子による親の扶養」・「一方配偶者による他方配偶者の扶養」等にのみ焦点を当ててもらえば良いと考えている、かも知れない。
(●なお(×2)、日本は(国内法化はしていないものの)「子に対する扶養義務の準拠法に関する条約」(昭和31年(1956年)・ハーグ条約)は批准(昭和52年(1977年)している。他方、一般的な「扶養義務の準拠法に関する条約」(昭和48年(1973年))については、少なくとも現時点(昭和55年(1980年))においては、批准すらしておらず、その批准・国内法化につき議論が続いている。そのような次第でもあり、既に実務が進んでいる「子に対する」扶養義務ではない方について、問うてみたい。)
●なお(×3)、 一般的な「扶養義務の準拠法に関する条約」(昭和48年(1973年))については、昭和61年(1986年)に批准し、扶養義務の準拠法に関する法律(昭和61年法律第84号)として国内法が制定されることとなる、という話は、現時点ではできない。
3.答案構成(例)
どうする?
下記程度で十分かと。
第1 扶養義務(43条(適用除外)1項)
第2 扶養義務の準拠法に関する法律
(第3 子の扶養義務の準拠法に関する条約)
以上
【参考】
・国際裁判管轄(家事事件手続法3条の10)
・外国判決の承認・執行(家事事件手続法79条の2、民訴法118条)
4.答案(例)
答案は必要?
不要かと。
略
5.雑感
なにかある?
特にないかと。
略
6.参考
答案構成(例):法例(平成元年改正前)
第1 扶養義務(21条(扶養の義務))
(第2 子の扶養義務の準拠法に関する条約)
【参考】
・「扶養の義務は扶養義務者の本国法に依りて之を定む」(法例(昭和61年(1986年)改正前)21条))
・「本法ハ夫婦, 親子其他ノ親族関係ニ因リテ生ズル扶養ノ義務ニ付テハ之ヲ適用セズ」(法例(平成元年改正前)31条1項)
以上