国際私法 旧司法試験 昭和46年 第1問
A自動車製造会社の甲国工場で製造され、乙国に輸出された自動車を、丙国人Bが、乙国のC自動車販売会社で購入した。Bは、その自動車を自己の生活の本拠のある丙国に持ち帰って運転していたところ、制動系統の構造上の欠陥に因って事故が生じた。以上の事実を前提として、次の問いに理由をつけて答えよ。
Bがこの事故によって受けた損害の賠償をBがAに求めた場合、その損害賠償請求権の有無、内容は何国法によるか。また、これをBがCに求めた場合はどうか。
1.改題(適宜)
問題変える?
(あくまでも過去の傾向との比較においてだが)長い…
「理由をつけて」も響きが可愛いなと(笑)。おまけをつけて、的な!?
が、必要ないかと。
該当なし
2.出題趣旨(推測)
なんで出したのかな?
例えば、下記かと。
●輸出が好調なため、昭和43年(1968年)には、経常収支が10億ドルを超えた。固定為替相場を活用して、対米輸出もどんどん拡大している。
●他方、米国においては、ここ10年間ほど、製造物責任訴訟(PL訴訟)が非常に盛んである。
●上記を踏まえ、近い将来、日本企業にとっても、PL訴訟への対応は「日常」となるであろう。
●少なくとも現時点においては、家族法の分野よりも、財産法の分野において、国際的な紛争処理に携われる法律家の育成が急務である。
●ついては、(実質法たる民法の学習においても、少なくとも詳しくは学ばない分野ではあるが)国際私法であるがゆえ、出題することも(必要であるし)許容されるであろう。
3.答案構成(例)
どうする?
下記程度で十分かと。
第1 BがAに求めた場合
1.生産物責任(18条)
(1)乙国法(同条本文)
(2)甲国法(同条ただし書き)
2.その他
(1)明らかにより密接な関係がある地がある場合の例外(20条)
(2)当事者による準拠法の変更(21条)
3.公序
(1)要件(22条1項)
日本法
(2)効果(22条2項)
日本法
第2 BがCに求めた場合
1.契約(7条):明示の準拠法合意があれば、それによる。
●なければ、様々な解決。
2.第1の2と同様
(なお、第1の3は通常は出て来ない。契約で行く。)
以上
4.答案(例)
答案は必要?
不要かと。
略
5.雑感
なにかある?
また比較的長い問題文でしたね。面倒なので、今後は問題文の長短には拘らないこととします。
結論:長短と言っても、司法試験(2006年以降)との比較においては、全て短いものに過ぎない。
6.参考
答案構成(例):法例(平成元年改正前)
第1 BがAに求めた場合
1.生産物責任(明文なし)
2.その他
(1)明らかにより密接な関係がある地がある場合(明文なし)
(2)当事者による準拠法の変更(明文なし)
3.公序
(1)要件(法例(平成元年改正前)11条2項)
日本法
(2)効果(法例(平成元年改正前)11条3項)
日本法
第2 BがCに求めた場合
1.契約(法例(平成元年改正前)7条):明示の準拠法合意があれば、それによる。
●なければ、様々な解決。
2.第1の2と同様
(なお、第1の3は通常は出てこない。契約で行く。)
以上